FREEMANS SPORTING CLUB – BARBER


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年の瀬になると様々な感情や想いが頭を駆け巡る。

平成から令和へと変わり、街を見渡せば新たな高層ビルや商業施設が立ち並び、世の中のあらゆる物が目まぐるしく変化していく中、仕事、パーティー、プライベートと慌しく淡々と時間が過ぎていく。

ふと我に返ると波に揺られる一隻の小船のように自分だけがぽつんと取り残されている感覚に襲われる。

時代の流れと共に自分は成長出来ているのか、もしくは順応できているのか、又は取り壊されてしまった古い雑居ビルのように自分を形成している何かが崩れてしまったのではないかと。

そんな喉に刺さった魚の小骨のような不安を取り除こうと、その”小骨”に集中してみる。

そうするとそれを取り除く術がみえてくる。米を丸呑みしてみたり、ピンセットを使ってみたり、強く咳払いをしてみたりと。

私にとって”年を越す”という事は1つの大きな行事であり分岐点であるが故に、私はその”小骨”を取り除き新たな年を迎える為の儀式的なものが幾つかある。

そのひとつに大晦日に”髭を全て剃り落とす”事をここ数年行っている。これを始めた年までは7年間ほど口髭の無い自分の顔を見たことがなかった。

”禊”としての意味合いと”初心を忘れない”という2つ意味を込めて一年の最後の日に髭を全て剃り落とすのである。

口髭を生やし始めたのは二十歳の時。その当時は何も分からず、ただひたすら闘争心、期待、憧れ、若さゆえの自信に身を任せ目の前の物に喰らい付いていた覚えがある。

その時の経験や得た知識が、現在の自分の財産である事には間違いないのだが、ここ最近ではそれが逆に自分自身を制御してしまうストッパーになってしまう事がある。

更なる一歩を踏み出すべく、髭を剃り落とし初心を思い出す事で”小骨”が活力に変わる。

これは私個人の習慣の話であるが、新年を迎えるのにやはり髪を整え、髭を整えたいものである。

髪を切るだけでも気が引き締まり気分がリフレッシュする。

2019年も残すところあと僅か。

 

皆様は新年を迎える準備は出来ましたでしょうか・・・。

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WRITTEN BY YOSHIO SUYAMA