名作の生まれる瞬間


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2004年にニューヨークのローワーイーストサイドに静かにオープンしたレストラン、FREEMANS。

その後、FREEMANS SPORTING CLUB(以下 F.S.C.)というメンズショップが出来るまで、ニューヨークには、男くさい男達がふらりと立ち寄って、気軽に買い物が出来る店はありませんでした。

ニューヨークのファッションは、今でも世界中からやってくる人達によって、常に進化し続けています。

そんな変化の激しいニューヨークのマンハッタンで、頑なに店舗を拡げようとせず、自分たちが納得出来るプロダクトを作り、仲間達と分け合うことにやり甲斐を感じている、そんなスモールストア(ブランド)がF.S.C.です。

可能な限り、自分たちが生活しているところでプロダクトを作り、地域の人たちに向け、手から手へ売り渡していく、そんなスタイルは、グローバル化し過ぎた販売方法に一石を投じました。

浅い歴史の中でも、時間を掛けて改良を重ねたプロダクト達は、不思議と魅力を持っていて、F.S.C.のシグネチャーアイテムとなっています。

僕たちは、そんなプロダクトのことを密かに“名作”と呼んで愉しんでいます。

そんな名作の中で、不動の人気を誇っている “ISLE OF MAN”というプロダクトがあります。

これは、ワックスをたっぷり含んだヘビーコットンクロスを使用した、フード付きのアウターなのですが、見た目以上の重量と、ワックス特有のベタつきは、何も知らない方は、たいてい敬遠されていきます。

グレートブリテン島とアイルランド島に囲まれた、マン島(Isle of Man)という島があります。この島で行われるオートバイ競技のTTレースは、特有の激しい気候変化と、生活公道をそのまま使用することで、最も危険なオートバイレースとして知られています。

1907年に開始されたTTレースで、当時、防水、防風に長けて、泥水や埃などから、レーサーを保護するために注目されたのがワックスコットンクロスでした。

そんな過酷なレースにも対応出来るアウターを目指して生まれたのが、名作“ISLE OF MAN”でした。
もちろん、基本的にはタウンユースで着用しますが、近年は、ニューヨークの寒波でも最高のパフォーマンスを発揮している、と聞くと、そのスペックの高さは折り紙付きなのです。

”CAMP SHIRTS”もまた、F.S.C.の創設者TAAVO SOMER達が、週末ごとに繰り出していたアウトドアで着用する為に作られたシャツでした。

キャンプシーンに合わせ、厚手のウールメルトンの生地を使用し、胸には機能的なポケット、脇にはハンドウォーマーポケットが付いた、実用性重視のアウトドアギアは、今では様々な生地で商品化され、1年を通して楽しむことの出来るプロダクトになっています。

また、今はリリースされていませんが、一時期、夏の人気アイテムだったコットンショーツ “CAMP SHORTS”も夏場のアウトドアシーンで、快適に過ごす為に作られたプロダクトでした。

“WINCHESTER”は、古くからのF.S.C.ファンに愛されているヘビーウェイトのコットンパンツですが、現在は生産をやめているプロダクトになります。しかし、廃番となった今でも再販を望む声が高いところからも、“WINCHESTER”の人気の高さを知ることが出来ます。

また、2013年にF.S.C.が東京に海外初進出した年に発売された、マッキントッシュのダンケルドは独特な配色の妙で、今でも名作中の名作と感じているファンの方は多いのではないでしょうか?

日本に上陸してきてからは、日本の技術を駆使したハイテク素材や、生産背景を使ったプロダクトもまた、新たなF.S.C.のシグネチャーアイテムに一役買っています。

世界に誇る岡山のデニムもまた、ドゥニームの林氏の監修の下、細部にまでこだわり、“GOD OF DENIM”という名で誕生しました。純国産のデニムは、当初から日本人はもちろんのこと、海外からやってくるF.S.C.ファンに絶大な支持を受け、その後、本国アメリカに渡り、ニューヨークのF.S.C.でもロングセラーとなっていて、今ではF.S.C.の大切な顔に育っています。

3年前に発売されたメッシュベルトもまた、僕たちが名作だと考えるプロダクトの一つです。

『F.S.C.を象徴する無骨で、使っていくうちに革の味わいが増していくベルト。
それでいて全てのスタイルに、それ1本で対応出来るもの。』

そんな問いに、真剣に取り組んでくれたのが、東京、浅草の革職人でした。

厚さ3〜4mmの革を編み込む作業は、機械では決して出来ない為、1本1本職人の手によって行われます。
出来上がったベルトは、お世辞にも洒落たものではありませんでしたが、見るからに堅牢で魅力あるプロダクトに仕上りました。

F.S.C.のスタッフの着用率でもわかる様に、このメッシュベルトは3年経った今でも人気のアイテムの一つになっています。

今回、このメッシュベルトの再構築の命を受け、ありそうで無かった絶対的な存在感を放つヌメ革でベルトを作る、という答えを出しました。

上下に革が交差するメッシュベルトの構造を理解し、肉厚なヌメ革で編み込むことにより、意図的に凹凸作り、永年使用する中で色が濃く変化する部分と、ヌメ革の白さが残る部分との対比を楽しんで育てて頂ける、そんなベルトに仕上げてみました。

過去のプロダクトがそうであった様に、流行や売れ筋には無縁であっても、納得し、仲間たちと喜びを共感出来る、そんなプロダクトが出来たと感じています。

これからも進化を続ける、F.S.C.の歴史の中に相応しい“名作”を、是非、ご自身で時間を掛けて育てて頂きたいと思います。

STYLE NO. UF83-1EZ001
FSC MESH BELT
COL. BLACK, D.BROWN, NATURAL(ヌメ)
サイズ S(着用79㎝相当)、M(着用89㎝相当)、L(着用99㎝相当)
上代 ¥14,000+TAX
6月中旬 発売予定
現時点では、取り扱い店舗は未定となります。
詳細は店舗スタッフまでお問い合わせ下さい。

FREEMANS SPORTING CLUB – GINZA SIX 03-6263-9924
FREEMANS SPORTING CLUB – FUTAKOTAMAGAWA 03-6805-7965
FREEMANS SPORTING CLUB – TOKYO 03-6805-0490

TEXT BY KAZUMA KAKIMOTO